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木から落ちる



すみません、小説上げなおしました。

元々9だったのを、8と一緒にしました。


10で終わらせたかったんだけど、
予想以上に長くなっちゃったので。







木から落ちる -09-




車が静かに、剣也がマンションの駐車場へ滑り込む。

剣也は素早くシードベルトを外し、早くこんな所から出ていきたいと車のドアを開けようとする。
後ろから静かな声が、こぼれる様に聞こえた。
普段の彼からは想像出来ないような、酷く小さい、掠れたような声。

思わずさっきまでの怒りを忘れ、振り返ってしまう。


そこには少なくともこの学校で過ごした2年とちょっとの時間では見たことのない
酷く頼りない表情をした大人がいた。

「なぁ、倉本……」


「……俺じゃぁ、頼りないか…?」


思わず体が硬直した。
瞬きを数回する。

今まで出会った人の中で、こんな表情をした人が近くにいたことがあっただろうか。


「頼りなくは…ないと、思う…多分…。
 少なくとも、うちの両親よりは。」

素直に、そう思った。


思っただけで言葉には出していない。


何と答えようか。そもそもここは答える場面なのか?
口が少しはくはくと動いてしまう。
目が、目の前の大人と合ってしまい、思わず視線を逸らしてしまう。

しかし、まだこちらをじっと見詰めている。そんな感じがする。


もう一度恐る恐る目線を合わせる。やはりこちらを見ている。
意を決して体を車のシートへ沈め、ゆっくりと口を開く。

「……俺は…助けようと…思ったんだ。」

あの日の事を思い出し、話し出す。

ほんの数日前だ。夕飯の買い物に行こうと思って、夜の道を歩いていた。


目の前に数人の中学生だろうか…。背の高い少年に囲まれた、スーツ姿の男性がいた。
仮にも大人であろうその男性は身を縮こませ、道路の端に追いやられている。

大人なんだから、もっと胸を張ってほしい。眉を顰めそう思った。

おそらくこいつが、こいつらのリーダーなんだろうなぁって奴に、後ろから思いっきり蹴り飛ばしてやった。

数人の少年達が一斉に俺を振り返る。

「みっともねぇなぁ、今時カツアゲかよ?だっせぇ」


あざ笑うように言ってやった。
スーツのおっさんには、あいつらから見えないように、しっしっと手を振り追い出してやった。
おっさんは身を屈めたままどっかへ走って行った。

情けねぇな…。後ろ姿を見つめ、思う。


「あぁ!?なんだてめぇ、俺等の獲物逃げちまったじゃねぇか!」
「てめぇがあのおっさんの代わりになってくれんのか?」
「こいつ、俺たちのリーダーを!」

口々に聞こえる、底辺の台詞に反吐が出る。

「うるせぇなぁ…あんたらがあんまりにもダサかったから、ちょっかいかけたくなったんだよ」
見下ろすように言ってやった。
そこからは殴って蹴っての乱闘だ。

どの位経っただろうか。俺も大分やられた。
でも負けてねぇ、奴らの方が満身創痍じゃねぇか。

「ハッ!よっわぁ!」
口元についた血を拭い言葉を吐き捨てる。


「お巡りさん!こっちです!!」
数メートル先から叫び声が聞こえた。
振り返ると、先程のおっさんがこちらへ走って帰ってくる姿が見えた。

折角逃がしてやったのに…。


「くそっ!マジかよ!」
「てめぇら、ズラかるぞ!」

フラフラと立ち上がり、覚束ない足取りで逃げていく少年達の後ろ姿を見送る。

「お前達!待ちなさい!」
数人の警官が追いかけていく。

「君!大丈夫だったかい!?」
「血だらけじゃないか!私のせいで、こんな…。」
「申し訳ない…」

謝るおっさんが、そこにいた。


別に謝ってほしかったわけじゃねぇんだけど…な……。


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